【親知らずの謎】まっすぐ生えるのは縄文系?現代人を悩ませる「顎の退化」
現代日本人の親知らずの状況、気になりますよね。実は現代の日本人は、弥生人よりもさらに顎(あご)がシャープに細くなっており、「親知らずが4本ともまっすぐ綺麗に生え揃う人」は1〜2割程度しかいないと言われています。
スペースが足りずに斜めに生えて痛んだり、歯茎の中に埋まったまま(埋伏歯)になったりするトラブルが非常に多く、最近では最初から親知らずが作られない(先天性欠損)人も増えています。まさに現在進行形で人類が進化(退化)している証拠と言えます。
現代人の多くを悩ませる「親知らずの抜歯」。実はこのお悩みも、私たちの祖先がたどってきた環境適応の歴史と深い関係があります。
■ 縄文人:硬いものを噛み砕く「がっしり頑丈な顎」
縄文人の顎の骨は、現代人に比べて四角く非常に頑丈でした。 当時は木の実や乾燥した硬い肉などをしっかり噛み砕いて食べる必要があったため、歯の数がすべて揃っていることが生存に不可欠だったのです。そのため、一番奥にある親知らずもまっすぐ綺麗に生える十分なスペースがありました。
■ 弥生人:食生活の変化による「シャープな顎へのシフト」
一方で弥生時代になると、農耕が始まり、お米などの比較的柔らかいものを調理して食べる文化が広がります。 よく噛む必要性が減ったことで、弥生人の顎は徐々に細くシャープに進化していきました。それに伴い、口の中で親知らずが生えるスペースが狭くなり、親知らず自体が退化して「最初から生えない人」が増えていったのです。
現代の私たちはどうなっている? 現代人はさらに食生活が柔らかくなり、顎の縮小スピードに歯の退化が追いついていません。そのため、斜めに生えて痛んだり、歯茎に埋まったりするトラブルが多発しています。 もしあなたの親知らずがまっすぐ綺麗に生えているなら、それは縄文人の強靭な顎の遺伝子を色濃く受け継いでいる証拠かもしれません。
