アジア人にしか見られない謎の形。「シャベル状切歯」が証明する渡来の歴史
実は、前歯の裏が凹んでいる「シャベル状切歯」は、世界的に見ると非常に珍しい特徴です。アフリカ人やヨーロッパ人(白人)にはほとんど見られず、人類のベースである「裏側が真っ平らな前歯」をしています。
このシャベル型が圧倒的な高確率で見られるのは、東アジアの特定地域(日本、韓国、中国)や、そこからかつて渡っていったアメリカ先住民(インディアン/インディアンなど)だけです。
人類学では、この形は氷河期のシベリアに閉じ込められた集団(新モンゴロイド)が、過酷な環境下での選択(硬いものを噛む必要性)によって独自に発達させた、最も特徴的な「進化的アップデート」の1つとされています。
この遺伝子は非常に強力(顕性・優性遺伝に近い働き)であるため、現代の日本人の約8割〜9割に、多かれ少なかれこのシャベル状の特徴が現れます。
「顔立ちはハッキリした縄文系なのに、前歯の裏を触るとしっかり弥生人のシャベル型をしていた!」というような現象は、日本列島で2つの集団が数千年にわたり深く混ざり合ってきた動かぬ証拠です。
たった1本の歯の構造に、欧米人にはない「東アジア独自の人類のサバイバル史」が刻まれているのです。
